しし座の渦巻銀河NGC 3370 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影 | アストロピクス

しし座の渦巻銀河NGC 3370 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影

この画像に映っているのは、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた渦巻銀河NGC 3370です。NGC 3370は、しし座の方向、地球から約9000万光年の距離にあります。

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距離の測定に役立つ2種類の天体が見つかっている

NGC 3370は、これまでハッブル望遠鏡で何度か撮影されてきました。それは遠方銀河までの距離を測定するのに役立つセファイド変光星(ケフェウス座δ型変光星)とIa型超新星が、NGC 3370で観測されたからです。

セファイド変光星は数日から数か月で明るさが周期的に変化します。変光の周期が長いほど絶対等級が明るいという「周期-光度関係」が知られています。変光の周期から、その星の実際の明るさを判定でき、その情報と地球からの見かけの明るさを合わせることで、その星と母銀河までの距離を計算できます。

Ia型超新星は、白色矮星が伴星からガスを奪うなどにより質量が増え、ある臨界質量を超えたときに超新星爆発を起こすものです。Ia型超新星は明るさの最大値がどれも非常によく似ていることから、超新星の絶対等級を求めて見かけの明るさと比べることで距離を計算することができます。

セファイド変光星とIa型超新星は、宇宙の膨張速度を測定する上で非常に重要な天体です。

画像はハッブル望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、「今週の1枚(Picture of the Week)」として2025年10月13日に公開されました。

(参考)
「セファイド変光星がありIa型超新星が観測された銀河のハッブル画像コレクション」
「ハッブル今週の1枚」記事一覧

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Riess, K. Noll

(参照)ESA/Hubble