1990年4月24日に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡は、2025年4月に打ち上げ35周年を迎えます。これまでハッブル宇宙望遠鏡のウェブサイトなどでは、毎年4月に周年記念画像がリリースされてきました(打ち上げから10年間ほどは毎年というわけではありませんでした)。
アストロピクスでは、ハッブル宇宙望遠鏡が打ち上げ30周年を迎えた年に、それまでの周年記念画像をまとめて紹介する記事を3回に分けて掲載したことがあります。
「ハッブル宇宙望遠鏡の過去の周年記念画像を紹介(1)」
「ハッブル宇宙望遠鏡の過去の周年記念画像を紹介(2)」
「ハッブル宇宙望遠鏡の過去の周年記念画像を紹介(3)」
それらの記事では、2019年に公開された29周年記念画像まで紹介していました。今回の記事では、30周年から34周年までの記念画像を紹介します。
30周年記念(2020年)

大マゼラン銀河にある星形成領域NGC 2014とNGC 2020をとらえた画像です。画像の大部分を占める巨大な星雲がNGC 2014で、左下の青い星雲がNGC 2020です。
→詳しくは「ハッブル打ち上げ30周年記念画像が公開! 〜 大マゼラン銀河の星形成領域」
31周年記念(2021年)

「りゅうこつ座AG星」という巨大な星。周囲をガスと塵からなる星雲に取り囲まれており、星雲は差し渡し5光年ほどあります。この巨大な構造は、約1万年前に星の外層が宇宙に吹き飛ばされたことによって生じました。
→詳しくは「自らが吹き飛ばしたガスと塵の星雲に囲まれた巨大星 〜 ハッブル打ち上げ31周年記念画像」
32周年記念(2022年)

「HCG(ヒクソン・コンパクト銀河群)40」と呼ばれる銀河群。渦巻銀河が3つ、楕円銀河とレンズ状銀河が1つずつの合計5つの銀河からなります。それら5つの銀河が、天の川銀河の直径の2倍にも満たない領域に収まって存在し、たがいの重力で影響を与え合っています。
→詳しくは「5つの銀河が密集するコンパクト銀河群HCG 40 〜 ハッブル宇宙望遠鏡打ち上げ32周年記念画像」
33周年記念(2023年)

星形成領域NGC 1333。NGC 1333はペルセウス分子雲の中にある星形成領域で、ペルセウス座の方向、地球から約960光年離れたところにあります。画像にはガスと塵が織りなすカラフルな光景が映し出されています。
→詳しくは「ペルセウス座の星形成領域NGC 1333 ハッブル望遠鏡打ち上げ33周年記念画像」
34周年(2024年)

ペルセウス座にあるM76。M76は、地球から3400光年離れたところにある惑星状星雲です。M27(あれい状星雲)に似ていることから、M76は「小あれい状星雲」とも呼ばれています。
→詳しくは「ハッブル望遠鏡がとらえた「小あれい状星雲」 打ち上げ34周年記念画像!」
「ハッブル宇宙望遠鏡の過去の周年記念画像を紹介(1)」
「ハッブル宇宙望遠鏡の過去の周年記念画像を紹介(2)」
「ハッブル宇宙望遠鏡の過去の周年記念画像を紹介(3)」
35周年記念ではどのような画像が公開されるでしょうか。公開されたらアストロピクスでも紹介する予定ですのでお楽しみに。
なおNASA(アメリカ航空宇宙局)は35周年に向けて、「35 Years of Hubble Images」と題して各年1枚ずつ画像を選んで毎日紹介しています。そちらもあわせてご覧ください。