ハッブル宇宙望遠鏡が相互作用する銀河のペアArp 298をとらえた画像です。NGC 7469とIC 5283という2つの銀河からなるArp 298は、ペガスス座の方向、約2億光年の距離にあります。画面左下の大きい方が棒渦巻銀河NGC 7469で、IC 5283はその伴銀河です。
この銀河のペアにつけられた「Arp」は、天文学者ホールトン・アープがまとめた「アープ・アトラス」に掲載されていることを意味しています。アープ・アトラスは、環状の銀河や、複数の銀河が相互作用して変形した天体などが多数掲載されたカタログです。
ハッブル宇宙望遠鏡はしばしば、Arp 298のような相互作用銀河を撮影しています。ハッブル打ち上げ18周年を記念して公開された、相互作用銀河のコレクションの中にArp 298も含まれていました。なお2008年のコレクションに載っていたArp 298の画像は、ハッブル宇宙望遠鏡のWFC(広視野カメラ)とACS(掃天観測用高性能カメラ)のデータを組み合わせたものでしたが、今回紹介した画像は、WFC3(広視野カメラ3)とACSのデータを組み合わせたものです。
Arp 298は、2022年夏に観測を開始するジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の初期観測プログラム「DD-ERS(Director's Discretionary Early Release Science)」のターゲットの銀河の一つとなる予定です。
画像は2022年2月21日に、ハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」としてリリースされたものです。
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Evans, R. Chandar
(参照)ESA/Hubble