火星では地球より音速が遅く、音の高低によって音速が変化する | アストロピクス

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火星では地球より音速が遅く、音の高低によって音速が変化する

火星表面で観測を続けるパーサヴィアランス。Image Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS
火星表面で観測を続けるパーサヴィアランス。Image Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS

火星には大気が存在しますが、その主成分は二酸化炭素です。また地球と比べると火星の気圧は100分の1以下しかありません。火星探査車パーサヴィアランスが録音した音の分析から、そのような火星の大気では地球よりも音速が遅く、また音速が音の高さ(周波数)によって変化することが分かりました。

地球では通常、音は秒速343mで伝わりますが、分析によると火星では低音は秒速240m、高音は秒速250mで伝わります。さらに地球で65mほどまで届く音は、火星では8mほどまでしか届かないとのことです。

また気圧が低いために火星はとても静かな環境です。ただ火星にも季節変化があり、その季節変化に伴って気圧が変化します。現在、パーサヴィアランスのいる付近では気圧が高くなる季節に向かっています。気圧が高くなるにつれて、今よりは静かな環境ではなくなるだろうとのことです。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech
Image Credit: NASA/JPL-Caltech

こちらはパーサヴィアランスのマイクの位置を示したイラストです。パーサヴィアランスにはマイクが2つあります。1つは観測装置「スーパーカム(SuperCam)」の一部としてマスト上にあり、もう1つは探査機側面にあります。

(参照)JPL