ハッブル望遠鏡がとらえた、みずがめ座のクラゲ銀河JO206 | アストロピクス

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ハッブル望遠鏡がとらえた、みずがめ座のクラゲ銀河JO206

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたもので、「クラゲ銀河」と呼ばれるタイプの銀河の1つ「JO206」が映っています。JO206は、みずがめ座の方向、7億光年以上の距離にあります。

クラゲ銀河からは、まるでクラゲの触手のように銀河のガスが伸びています。銀河団内に存在する希薄な高温プラズマの中を銀河が移動すると、プラズマの圧力によって銀河内のガスがはぎ取られます。銀河の「触手」は、このような「動圧(ラム圧)によるガスのはぎ取り」と呼ばれる現象によって生じます。

画像はハッブル宇宙望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、2023年6月5日にハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開されました。

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「触手」での星形成は銀河円盤の星形成とは異なるのか

今回紹介したJO206は、銀河円盤とは異なる極限環境での星形成を研究するために観測された6つの銀河のうちの1つです。ESA/Hubbleのウェブサイトでは、以下の5つの「クラゲ銀河」が、「今週の1枚」としてこれまで紹介されてきました。

かみのけ座の銀河JW39

ぼうえんきょう座の銀河JO175

ろくぶんぎ座の銀河JO204

ペガスス座の銀河JW100

くじら座の銀河JO201

ハッブル望遠鏡の観測からは、クラゲ銀河の銀河円盤での星形成と、剥ぎ取られたガスの部分での星形成とで、大きな違いがないことが明らかになりました。これは、環境の違いが、新たな星の形成にわずかしか影響しないことを示唆しています。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, M. Gullieuszik and the GASP team

(参照)ESA/Hubble