多くの星形成領域での若い星々の巨大フレアをチャンドラがとらえた

NASA(アメリカ航空宇宙局)のチャンドラX線望遠鏡を使い、これまでで最大規模のX線による星形成領域の調査が行われました。40の星形成領域にある約2万4000の星が調査され、1859年に発生した記録上最大の太陽フレアよりはるかに強力なエネルギーのフレアが現れた星を1000個以上とらえました。

これらの画像は調査された星形成領域の一部で、上は干潟星雲(M8)、下は星形成領域RCW 120です。どちらもスピッツァー宇宙望遠鏡の赤外線データ(青、金、白)にチャンドラのデータ(紫)を重ねたものです。干潟星雲は約4400光年、RCW 120は約5500光年の距離にある天の川銀河内の星雲です。(参考記事)赤外線で美しく輝くリングRCW 120

今回、チャンドラが観測した強力なフレアは、全ての星形成領域で、さまざまな質量の若い星で発生していました。また、若い星の進化における全ての段階でフレアが記録されました。そして約500万歳以下の若い星では平均して、1週間に数回のスーパーフレアと1年に約2回のメガフレアが発生していることがわかりました。スーパーフレアは、1859年の太陽フレアの少なくとも10万倍、メガフレアは最大1000万倍のエネルギーを持っています。

巨大なフレアは、星の周りを回る形成初期の惑星にも大きな影響を与えます。惑星形成のきっかけとなりうる一方、放射線によって形成後の惑星の大気を吹き飛ばし、その結果、惑星が500万年以内に完全に蒸発して破壊されてしまう可能性があるとのことです。

Image Credit: X-ray: NASA/CXC/Penn State/K. Getman, et al; Infrared: NASA/JPL/Spitzer

(参照)Chandra X-ray Observatory