表面の色が微妙に異なる土星の衛星テティス | アストロピクス

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表面の色が微妙に異なる土星の衛星テティス

この画像は、土星の衛星テティスをカッシーニ探査機がとらえたものです。テティスは、地球の月と同じようにつねに同じ面を土星に向けていますが、この画像に映っているのはテティスの後半球(進行方向後側の面)です。

画像はクリア、緑、赤外線、紫外線のフィルタを使って撮影した画像を組み合わせた擬似カラー画像で、微妙な色の違いが強調されています。テティスを自然色で見ると、ほぼ均一な色に見えます。

画像ではテティスの左側が黄色く、右側は白くみえています。このような色の違いは、外的要因の影響を受けたものです。画像右側のテティスの前半球側には、土星のEリングの氷粒子が衝突します。一方、後半球側は荷電粒子が衝突して化学変化により色が変わります。表面のアルベド(反射率)は、テティスの前半球から後半球にかけて10〜15%ほど低下します。土星の他の衛星にも、似たような全球的な色のパターンが存在しています。

直径約1070kmのテティスは、土星で5番目に大きな衛星です。画像の2時の方向には、直径約400kmのオデュッセウス・クレーター内にある山が見えています。

画像はカッシーニ探査機が2015年4月11日に撮影した52枚の画像から作成されました。撮影時、カッシーニ探査機はテティスから約5万3000kmの距離に位置していました。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute

(参照)Planetary Photojournal