探査車パーサヴィアランスがとらえた火星の「Falbreen」の360度パノラマ

この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査車パーサヴィアランスがとらえた火星表面の360度パノラマです。マストカメラ(Mastcam-Z)で撮影した96枚の画像が合成されています。

画像は2025年5月26日(ミッション開始から1516火星日目)に「Falbreen」と呼ばれる地域で撮影されました。Falbreenは、パーサヴィアランスがこれまで調査した中でも特に古い地域だと考えられています。

冒頭の画像は、コントラストを上げ、また色の違いを目立たせるために画像処理が施されています。そのため空がまるで地球のように青く見えています。

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研磨の跡や轍、別の場所から運ばれてきたと見られる岩が映る

中央左側の表面で白っぽく見えているのは、パーサヴィアランスが表面の岩石を研磨した痕跡です。画像右側には、パーサヴィアランスが通ってきた車輪の跡が映っており、約90m離れたところで左側に曲がっています。地平線付近には50〜60kmほど離れたところにある丘が見えています。

画像の中央右側に三日月形の暗い砂紋が見え、その上に黒っぽい岩が乗っています。この岩は、どこか別の場所で形成されたのち、何らかの理由でここまで運ばれてきた可能性が高いとみられています。地滑りや洪水、風など、どのようにして運ばれてきたのかは不明ですが、パーサヴィアランスの科学チームは岩が運ばれてきた後に砂が蓄積したのではないかとみています。

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自然色バージョンの画像と4K映像

こちらは自然色バージョンの画像です。

こちらの映像は、画像を左右にパンしたものです。最初は画像処理したもの、次に自然色の画像が表示されます。

(参考)「パーサヴィアランス」関連記事一覧

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU/MSSS

(参照)JPLPlanetary Photojournal