火星の北極冠から南半球まで、広大な範囲をマーズ・エクスプレスがとらえた

ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の火星探査機マーズ・エクスプレスが、2019年6月にとらえた火星のようす。画像上は火星の北極、下は南緯50度ほどまでが見えています。

北極は水と二酸化炭素の氷からなる極冠に覆われています。極冠の上には明るい雲が浮かんでおり、また南の方へ伸びている雲も映っています。画像右下に白っぽく見えているのは「ヘラス平原」と呼ばれる巨大なクレーターです。ヘラス平原は直径2300kmもあり、クレーターとして確認されているものでは太陽系全体を見渡しても最大級のクレーターの1つです。

火星では北半球には低地、南半球には高地が広がっていることが知られています。この画像でも、北極冠の周辺の低地と、南方の高地とで分かれているのが分かります。北の低地は地質学的に新しくクレータがあまりありません。一方で南の高地は古くクレーターがたくさん存在しています。

Image Credit: ESA/DLR/FU Berlin, CC BY-SA 3.0 IGO

この画像は、火星の標高によって色分けしたものです。明るくなっている部分は、冒頭の画像と同じ範囲を示しています。標高の高い地域は白や黄、赤で表示されています。南の方が標高が高くなっていることが分かります。NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機バイキングおよびマーズ・グローバル・サーベイヤーのデータに基づいて作られました。

Image Credit: NASA/MGS/MOLA Science Team, FU Berlin

https://www.esa.int/spaceinimages/Images/2019/09/Mars_Express_view_of_Terra_Sabaea_and_Arabia_Terra

https://www.esa.int/spaceinimages/Images/2019/09/A_slice_of_Mars_in_topographic_context_Terra_Sabaea_and_Arabia_Terra