火星探査車パーサヴィアランス、速く深い川の名残と見られる地形を発見 | アストロピクス

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火星探査車パーサヴィアランス、速く深い川の名残と見られる地形を発見

NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査車パーサヴィアランスにより、かつて火星にあった川の名残と思われる地形が新たに発見されました。

パーサヴィアランスは、火星のジェゼロ・クレーター内のデルタ(三角州)の上で観測を進めています。今回、痕跡が発見された川は、かつてジェゼロ・クレーターに流れ込んでいた河川網の一部とみられています。

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整列して並ぶ岩石の列

この画像は、パーサヴィアランスのマストカメラ(Mastcam-Z)で撮影したもので、地面には岩石が整列して並んでいるのが映っています。この岩石の列は、流れが非常に速く深い川によって形成された可能性があると考えられています。

画像は2023年2月28日(721火星日)から3月9日(729火星日)にかけて撮影した203枚の画像を合成したものです。この場所には「スクリンクル・ヘブン(Skrinkle Haven)」との愛称が付けられています。

岩石が湾曲しつつ列を成して並んでいるのは、時間とともに移動した川岸の名残りか、あるいは川にできた砂洲の名残である可能性があります。この層は、かつてはもっと高かったとみられていますが、堆積物が岩石になったあと、長い年月をかけて風で削られて現在の大きさになったと考えられています。

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高さ20mの堆積層

こちらも深くて流れの速い川によって形成されたと考えられている高さ20mほどの堆積層です。スクリンクル・ヘブンから450mほど離れたところにあります。パーサヴィアランスが2023年2月26日(718火星日)にMastcam-Zで撮影した18枚の画像を合成したものです。この場所には「パインスタンド(Pinestand)」という愛称が付けられています。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU/MSSS

(参照)JPL