火星の北半球にある「Mawrth Vallis」と呼ばれる谷の一部を、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターがとらえた画像です。
画像右上の方から左端へ、周囲と比べて暗くなっているところがあります。この部分はほかよりも小高くなっています。これはかつて流れていた川の跡です。
川の跡が小高くなっているのは不思議に思われるかもしれません。川の底に石や砂利が多いと、水がなくなったあとに風による侵食を受けにくくなります。一方で、周囲がやわらかいと侵食されてしまい低くなってしまうのです。
このような地形は火星のほかの場所でも見つかっています。
マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載されたHiRISEというカメラのウェブページでは、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。冒頭の画像は2021年9月16日に撮影されたもので、2021年12月13日のHiPODとして紹介された画像です。
Image Credit: NASA/JPL/UArizona
(参照)HiRISE