2mの距離から撮影した火星の岩石のクローズアップ | アストロピクス

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2mの距離から撮影した火星の岩石のクローズアップ

これは火星の岩石のクローズアップ画像です。この岩石には「Cine」という愛称が付けられています。NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査車パーサヴィアランスに搭載されたカメラ「スーパーカム」のリモート顕微撮像装置(Remote Microscopic Imager)で撮影しました。

スーパーカムは探査車のマストに取り付けられています(参考記事:火星ローバー「パーサヴィアランス」搭載の科学機器)。撮影時、岩は探査車のマストから2メートル離れたところに位置していました。

画像には、灰色で角のあるミリメートルサイズの粒(結晶)が岩にぎっしり詰まっているのが映っています。スーパーカムのレーザーと分光計、また別のカメラ「Mastcam-Z」を使い、離れたところから岩の組成が調べられました。その結果、Cineにはカンラン石という鉱物が豊富に含まれていることが判明しました。この岩石が火成岩なのか、あるいは水分の多い環境で固まった火成岩の細かい粒子からなるのかについて議論されているとのことです。

画像は2021年9月17日(着陸206火星日)に撮影され、12月15日にNASAから公開されました。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/LANL/CNES/IRAP

(参照)Mars Exploration Program