土星の衛星フェーベ 〜 土星にとらわれた天体か | アストロピクス

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土星の衛星フェーベ 〜 土星にとらわれた天体か

土星探査機カッシーニがとらえた土星の衛星フェーベ。2004年6月11日にフライバイした際に撮影された2枚の画像をモザイク合成したものです。

フェーベは球形に近い形をしており、平均半径は106.5キロメートルです。9時間で自転しており、土星から1295万2000キロメートルの距離を、約18か月かけて公転しています。

フェーベの公転軌道は楕円で、土星の赤道に対して約175度傾いています。またフェーベは土星の自転とは逆方向に公転する「逆行衛星」です。太陽系にあるほとんどの衛星は、惑星の自転と同じ方向に公転しています。

土星の主な衛星とは異なり、フェーベの表面は非常に暗く、太陽光を6%しか反射しません。楕円の逆行軌道と相まってフェーベは土星にとらえられた天体ではないかと考えられています。

冒頭の画像の撮影時、カッシーニ探査機はフェーベから約3万2500キロメートルの距離に位置していました。

Image Credit: NASA/JPL/Space Science Institute

(参照)NASA Solar System ExplorationPlanetary Photojournal