火星の平原にある二重クレーターと孤立丘 | アストロピクス

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火星の平原にある二重クレーターと孤立丘

この画像の左側に、火星のアルカディア平原にある二重クレーターが映っています。火星探査機トレース・ガス・オービター(TGO)が2021年6月7日に撮影し、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)から11月5日に公開された画像です。

このようなクレーターは、2つの隕石が同時に、かつ非常に近接して地表に衝突したときに形成されます。もともとは一つの天体が、火星の大気圏に突入した際に分裂して2つの隕石になったと見られます。画像に映る2つのクレーターが似たような大きさをしていることは、衝突した2つの隕石もほぼ同じ大きさだったことを意味しています。二重クレーターの周囲には、噴出物が蝶のような形に広がっています。

二重クレーターの北(画像右側)には、孤立丘がいくつかあります。これらはクレーターの形成以前から存在していたと見られています。

こちらは二重クレーターのクローズアップです。

TGOは、ESAとロシア・ロスコスモスが共同で進めるエクソマーズ計画で打ち上げられた探査機です。2016年3月14に打ち上げられ、同年10月に火星の周回軌道に入りました。

Image Credit: ESA/Roscosmos/CaSSIS, CC BY-SA 3.0 IGO

(参照)ESA