火星着陸機インサイトのデータを利用し、火星の地殻に液体の水を貯えている層があることを発見したとする研究が発表されました。カリフォルニア大学サンディエゴ校スクリップス海洋研究所のVashan Wright氏らによる研究です。
インサイトは、2022年12月にミッションを終了するまで、約4年間にわたり火星の内部構造や気象、火震(火星の地震)に関するデータを取得。その間、1319回の火震を検出しました。
地中を伝わる地震波を分析することで、地下にどのような物質が存在するかを推測することができます。これは火星に限らず、地球でも同様です。Wright氏らは、そのインサイトが収集したデータを岩石物理学のモデルに入力して分析。その結果、地殻に液体の水が存在することが、データを最もうまく説明できると判断したとのことです。
「火星の水循環を理解することは、火星の気候や表面、内部の進化を理解するためにきわめて重要です」とWright氏は述べています。「水がどこに、どれだけ存在するのかを特定することは出発点として役立ちます」