火星のパノラマに映る周囲とは異なる明るい岩 探査車が撮影

この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査車パーサヴィアランスが、2024年5月27日(1162火星日)に撮影した18枚の画像をパノラマ合成したものです。中央左にある明るい色合いの岩が目立っています。その岩の大きさは、幅約45cm、高さ約35cmあります。

ここは、ワイオミング州にある山にちなみ「ウォッシュバーン山」と名付けられた場所で、明るい岩は「アトコポイント」と呼ばれています。なおアトコポイントとは、グランドキャニオンにある地名にちなんだ名称です。

アトコポイントの周辺にある岩の多くは暗い色合いをしています。パーサヴィアランスのスーパーカムとマストカムZという2つのカメラによる分析から、アトコポイントは輝石と長石の鉱物でできていることが示されています。鉱物粒子や結晶のサイズ、形、配列、そしておそらく化学組成に関して、パーサヴィアランスがこれまで見てきたどの岩石とも異なっているとのことです。

アトコポイントの由来はよくわかっていません。アトコポイントを構成する鉱物が、地下のマグマだまり(現在はおそらくクレーターの縁で露出している)で生み出されたと考える研究者もいます。一方、アトコポイントが、パーサヴィアランスが着陸したジェゼロ・クレーターの壁のはるか遠方で形成され、長い時間をかけて水に流されて運ばれてきたと考える研究者もいます。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU/MSSS

(参照)Planetary Photojournal