この画像はNASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが、火星の南半球の一部を撮影したものです。明るく見えているところには塩化物が堆積しています。
簡単にいえば塩は通常、液体の水が蒸発することで形成されます。ほとんどの塩は簡単に水に溶けます。塩が溶けた水が蒸発すると、後に塩が残されます。水に溶けていた塩の量が多いほど、水が蒸発したときに多くの塩の堆積物が残されます。火星表面で塩が見つかれば、かつて液体の水が存在していた可能性につながります。
画像に見られる明るい堆積物には、多角形のパターンを持った亀裂が見られます。それは、よく知られている泥の亀裂によく似ており、それらの堆積物が塩を含んだ水が蒸発して形成されたことを示唆しているのかもしれません。
マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載されたHiRISEというカメラのウェブページでは、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。冒頭の画像は2013年11月20日に撮影されたもので、2020年12月20日のHiPODとして紹介された画像です。
Image Credit: NASA/JPL/UArizona
(参照)HiRISE