2021年10月の打ち上げに向けて開発が進められているジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)。このたびJWSTの遮光シールド展開の最終試験に成功したとNASA(アメリカ航空宇宙局)が発表しました。
JWSTは、地球から見て太陽と反対側、地球から約150万kmの距離にあるL2というラグランジュ点に置かれます。赤外線で宇宙を観測するJWSTが目的を達成するためには、太陽や地球などの熱を避け望遠鏡を冷やす必要があります。そこでJWSTでは5枚の保護膜を展開し、その遮光シールドの影の中で観測を行います。遮光シールドの太陽に面した側が約85℃になるのに対し、影の側はおよそマイナス230℃に保たれます。
JWSTの直径6.5mの主鏡や遮光シールドは折り畳まれた状態で打ち上げられ、宇宙空間で展開されます。今回のテストでは、JWSTのハードウェアに一連のコマンドを送り、139個のアクチュエーター、8個のモーター、数千の他のコンポーネントを動作させて遮光シールドの五つの膜をピンと張った状態まで展開しました。
こちらは打ち上げ後に宇宙空間で、JWSTの遮光シールドと主鏡を展開するようすを再現した動画です。遮光シールドを展開したのち、主鏡が展開されます。
NASAによれば、2021年夏の出荷に向けて今後もテストが続けられるとのことです。
Image Credit: NASA/Chris Gunn
(参照)NASA