この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査車パーサヴィアランスが撮影したもので、着陸したジェゼロ・クレーター内にあるデルタの端の斜面を撮影したものです。2021年3月17日、ローバーに搭載されたリモートマイクロイメージャー(RMI)で撮影されました。
画像に映っている場所は、ローバーから2.25kmも離れたところにある切り立った急斜面です。斜面には礫岩(粗い粒の小石からなる砂まじりの堆積岩)や斜交層理(ゆるい堆積物の上を水が通過する際にできる堆積岩の傾いた地層)などが見られます。幅115メートルほどの部分が映っています。
ジェゼロ・クレーターには、かつて流れ込んでいた川によってできたデルタがあります。JPL(ジェット推進研究所)の科学者Vivian Sun氏は、「この河川システムの証拠を間近で見ることができ、川のサイズや流れの強さなどをより理解できるようになる」と述べています。川はクレーター内だけでなく外の物質も堆積させたので、生物の痕跡を探すには非常に素晴らしい場所だとのことです。
RMIは、パーサヴィアランスのマスト上にある観測機器SuperCamの一部で、遠方からでも詳細な画像を撮影することができるカメラです。冒頭の画像はRMIで撮影した5枚の画像が合成されています。
こちらはRMIの画像を、パーサヴィアランスのMastcam-Zで撮影した画像と組み合わせたものです。
この画像はNASAの火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターがとらえたもので、ジェゼロ・クレーターの一部が映っています。右下の黄色い点がパーサヴィアランスの位置で、そこから伸びる2本の直線はRMIの視野を表しています。
こちらはアストロピクスでも以前紹介した、Mastcam-Zの画像から作られた360度パノラマです。右上の四角のあたりが、RMIで撮影された部分です。