ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた、おとめ座の棒渦巻銀河NGC 5068

この画像に映っているのは、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた棒渦巻銀河NGC 5068です。NGC 5068は、おとめ座の方向、地球から約2000万光年の距離にあります。銀河の直径は4万5000光年と推定されており、天の川銀河の約半分の大きさです。

銀河の中央部にある棒状の構造が、画像の上部に見えています。そこは成熟した星が密集している領域です。中心には超巨大ブラックホールが潜んでいます。ピンク色〜赤色で明るく輝く部分は、若い星団が存在する電離した水素ガスの領域で、銀河の渦状腕に沿って存在しています。

NGC 5068では、少なくとも110個のウォルフ・ライエ星が発見されています。ウォルフ・ライエ星は質量が非常に大きな星が進化した天体で、非常に速い速度で外層の水素ガスを失っていると考えられています。ウォルフ・ライエ星は通常、質量が太陽の25倍以上、明るさは最大で太陽の100万倍もあります。

Image Credit: NASA, ESA, R. Chandar (University of Toledo), and J. Lee (STScI); Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America), DECam, Victor M. Blanco/CTIO, CSA, J. Lee and the PHANGS-JWST Team
Image Credit: NASA, ESA, R. Chandar (University of Toledo), and J. Lee (STScI); Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America), DECam, Victor M. Blanco/CTIO, CSA, J. Lee and the PHANGS-JWST Team

2023年6月には、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえたNGC 5068の赤外線画像が公開されています。この画像は、NGC 5068の全体像をとらえた画像(左下)に、ハッブル望遠鏡の画像(右上)とウェッブ望遠鏡の画像(右下)の範囲を示したものです。(参考記事)ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえた棒渦巻銀河NGC 5068の中心付近

画像は、2023年10月6日にNASA(アメリカ航空宇宙局)から公開されました。

Main Image Credit: NASA, ESA, R. Chandar (University of Toledo), and J. Lee (Space Telescope Science Institute); Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America)

(参照)NASA Science