ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた2つの銀河の衝突現場「Arp 220」 | アストロピクス

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた2つの銀河の衝突現場「Arp 220」

この画像は「Arp 220」と呼ばれる銀河を、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したものです。一見するとArp 220は1つの銀河に見えますが、実際には2つの渦巻銀河が衝突しています。へび座の方向、約2億5000万光年の距離にあります。

約7億年前に始まった銀河どうしの衝突は、爆発的な星形成の引き金となりました。その結果、差し渡し5000光年ほどの範囲の塵の多い領域に約200の巨大な星団が形成されました。その狭い範囲に、天の川銀河全体に匹敵する量のガスが存在しています。

Arp 220は、赤外線で非常に明るく輝く「ULIRG(超高光度赤外線銀河)」と呼ばれるタイプの銀河です。元の2つの銀河の中心核は1200光年ほど離れて存在しています。チャンドラX線望遠鏡によって、両方の中心核からX線が観測され、2つの超大質量ブラックホールの存在が示唆されました。先日、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、まばゆく輝く中心核からの赤外線をとらえた画像が公開されました。

この画像は2006年1月6日に撮影されたもので、ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ18周年を記念して2008年4月24日に公開された衝突銀河画像59枚のコレクションの中の1枚です。

Image Credit: NASA, ESA, the Hubble Heritage (STScI/AURA)-ESA/Hubble Collaboration, and A. Evans (University of Virginia, Charlottesville/NRAO/Stony Brook University)

(参照)Hubblesite