小惑星への衝突実験で飛び散った破片の変化 ハッブル望遠鏡が撮影 | アストロピクス

【Googleニュースでアストロピクスをフォローして新着記事をチェック!】

小惑星への衝突実験で飛び散った破片の変化 ハッブル望遠鏡が撮影

2022年9月26日(日本時間27日)、NASA(アメリカ航空宇宙局)の探査機DART(Double Asteroid Redirection Test、二重小惑星方向転換試験機)を小惑星に衝突させる実験が行われました。DARTが衝突したのは、小惑星ディディモスと二重小惑星をなすディモルフォスです。DARTは、探査機を衝突させて小惑星の軌道を変える技術の実証実験を行うことが目的のミッションです。

一連の画像は、衝突後の小惑星周辺のようすをとらえたものです。ディモルフォスから吹き飛んだ塵や岩石が映っています。

DARTが秒速約6.6kmで正面衝突したことにより、ディモルフォスからは1000トンを超える塵や岩石が吹き飛ばされました。1枚目の画像は衝突2時間後に撮影されたもので、吹き飛んだ塵が円錐形になっているのが映っています。

2枚目の画像は衝突の約17時間後をとらえたものです。円錐形がゆがみはじめており、小惑星連星の動的な相互作用を示しています。3枚目は衝突から12日ほどが経過した後のもので、小さな塵の粒子が太陽光の圧力によって押し流され、彗星の尾のように長く伸びているのが映っています。その尾が2つに分かれていることも観測されました。

こちらは冒頭の3枚にさらに複数の画像を加えて作成されたタイムラプス映像です。Credit: NASA, ESA, J. Li (PSI), J. DePasquale (STScI)

Credits
SCIENCE: NASA, ESA, STScI, Jian-Yang Li (PSI)
IMAGE PROCESSING: Joseph DePasquale (STScI)

(参照)HubblesiteESA/Hubble