赤い蜘蛛の巣!? ハッブルがとらえた「しし座CW星」〜ハロウィン2021

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡が赤色巨星「しし座CW星」をとらえたものです。2021年のハロウィンを前に公開されました。

しし座CW星は年老いた星である赤色巨星で、その周りをガスと塵の雲が取り囲んでいます。この雲は、しし座CW星の外層が宇宙空間へ放出されて形成されたものです。殻状・円弧状の雲は複雑な内部構造を持っています。

星の表面で酸素より炭素が多い星を「炭素星」といいます。しし座CW星は400光年離れたところにある、地球から最も近い炭素星です。星の内部の核融合反応で作り出された炭素が、しし座CW星の大気には多く含まれており、周囲にも放出されています。このような炭素はやがて、他の星や惑星、さらには生命を作るための材料となります。

しし座CW星は表面温度が1260℃と比較的低く、オレンジがかった赤い色をしています。画像で緑がかった色に見える星の光は中間赤外線で光っています。そのため見えやすいように擬似的に緑に色付けられたものです。

こちらは2001年、2011年、2016年に撮影された、しし座CW星のタイムラプス映像です。15年(天文学的にはごく短期間)で明るさが変化していることが分かります。星を包む塵に隙間があり、その隙間をすり抜けた光が、星から遠く離れた塵を照らし出しているのではないかと推測されています。ただ星の明るさが劇的に変化する原因ははっきりとは分かっていません。

これまでハッブル宇宙望遠鏡のサイトではハロウィンを前にした時期に、幽霊の顔のような衝突銀河巨大カボチャのような衝突銀河の画像などが紹介されてきました。今年のこの画像はHubblesiteで「オレンジがかった赤色の蜘蛛の巣(orange-red "cobwebs")」と表現されています。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, T. Ueta, H. Kim

(参照)ESA/HubbleHubblesite