NASA、火星サンプルリターン計画を変更。サンプルの地球到着は2033年予定

NASA(アメリカ航空宇宙局)とESA(ヨーロッパ宇宙機関)は、火星の表面からサンプル(試料)を持ち帰るサンプルリターン(MSR)計画を進めています。その計画の変更が、NASAから発表されました。

MSR計画は、火星表面で探査を続けているNASAの探査車パーサヴィアランスが採取したサンプルを、近い将来に火星へ送り込まれる探査機で回収し地球へ持ち帰ろうというものです。

従来はESAの小型探査車(フェッチ・ローバー)を使って試料の入ったサンプルチューブを回収し、火星から打ち上げるための小型ロケット(MAV:Mars Ascent Vehicle)を搭載した着陸機に輸送することになっていました。MAVで打ち上げられたサンプルチューブは、火星周回軌道上の地球帰還オービターが受け取り、地球へ持ち帰ります。

その中で小型探査車がキャンセルされ、かわりにパーサヴィアランスがサンプルチューブを着陸機に届けるよう計画が変更されました。またそのバックアップとして、2機の火星ヘリコプターが着陸機とともに火星へ送られることになりました。2機の火星ヘリコプターは、これまで火星表面で29回の飛行に成功した火星ヘリコプター「インジェニュイティ」に基づいて設計されます。

NASAによれば、地球帰還オービターの打ち上げは2027年秋、サンプル回収着陸機の打ち上げは2028年夏に予定され、サンプルは2033年に地球に到着する予定とのことです。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech

(参照)NASA