火星の南半球にあるクレーター内の砂丘を、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターがとらえた画像です。砂丘のあちらこちらに暗い斑点のようなものが見え、砂丘の間の平らなところには岩が転がっています。
画像が撮影された2016年3月27日は、この地域では冬の終わりを迎えていた時期でした。冬よりもたくさんの太陽光が降り注ぎ、冬の間にこの地域にあった二酸化炭素の氷が融け始めているところです。表面下にあった二酸化炭素の氷が昇華して気体になるときに体積が増し、圧力が高まって地表に放出される際に、画像に見られる暗い斑点ができます。
マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2021年6月12日のHiPODとして紹介されたものです。
Image Credit: NASA/JPL/UArizona
(参照)HiRISE