90の銀河にある10万の分子雲が調査された

これらの画像は、比較的近隣にある銀河の分子雲をアルマ望遠鏡がとらえたものです。2013年から19年にかけて、PHANGS(Physics at High Angular Resolution in Nearby GalaxieS:近傍銀河の高解像度観測による物理学研究)プロジェクトの研究チームは、90の銀河にある10万の分子雲を初めて系統的に調査しました。画像はその一部の銀河です。

分子雲は星が生まれ育つ場所です。異なるタイプの銀河での星形成をよりよく理解するため、研究チームは銀河円盤や棒状構造、渦状腕、銀河中心などでの分子ガスの特性や星形成プロセスにおける類似点と相違点を調べました。その結果、分子雲はどれも同じではなく多様性があり、銀河のどこにあるかによって様子が異なることが明らかになったとのことです。

これら2枚の画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の画像にアルマ望遠鏡の画像(オレンジ色)を重ね合わせたものです。上は銀河NGC 4254、下は銀河NGC 4535です。

なお上で紹介した画像に映っている銀河のうち、NGC 4535NGC 4254NGC 5643NGC 2775については、ハッブル宇宙望遠鏡やESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(超大型望遠鏡)で撮影された画像をアストロピクスで紹介したことがあります。興味のある方は、あわせてご覧ください。

Image Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/PHANGS, S. Dagnello (NRAO)

(参照)NRAO