
この画像に映っているのは、地球から500光年ほど離れたところにあるカメレオンI分子雲です。カメレオンI分子雲は星形成の場所で、私たちの太陽系も、画像に映っているような巨大なガスと塵の雲の中で誕生しました。

こちらは冒頭の画像の中央付近にある反射星雲セダーブラッド111のクローズアップです。反射星雲は、近くの星からの光を反射して輝くガスと塵の雲で、新しく形成された星の周囲でみられます。

こちらはセダーブラッド111のすぐ上に見られる反射星雲セダーブラッド110で、「C」の字のような形をしているのが特徴的な天体です。セダーブラッド111と同じように、低質量星の形成領域の近くにあり、若い星の光を散乱して輝いています。

こちらはカメレオン座赤外星雲のクローズアップ。セダーブラッド111のすぐ下にあります。翼のようにも見えるこの星雲は、星雲の中心で生まれたばかりの低質量星から噴出する高速のガス流によって形成されています。
カメレオンI分子雲は、より広大なカメレオン座分子雲の一部です。カメレオン座分子雲は、星形成が活発ではないカメレオンII分子雲とカメレオンIII分子雲を含んでいます。
画像は、南米チリにあるセロ・トロロ汎米天文台(CTIO)のビクター・M・ブランコ4m望遠鏡に搭載されたダークエネルギーカメラ(DECam)で撮影されました。DECamは、5億7000万画素の巨大なデジタルカメラです。
画像は、NSF(アメリカ国立科学財団)のNOIRLab(アメリカ光学・赤外天文学研究所)から2025年6月10日に公開されました。
(参考)
ウェッブ望遠鏡がとらえたカメレオンI分子雲の中心領域
ハッブルがとらえた青く輝くカメレオンI分子雲
蝶の片翅のようなカメレオン座赤外星雲
Image Credit: CTIO/NOIRLab/DOE/NSF/AURA; Image Processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF NOIRLab), M. Zamani & D. de Martin (NSF NOIRLab)
(参考)NOIRLab