パーサヴィアランス、最初のサンプル採取は成功せず | アストロピクス

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パーサヴィアランス、最初のサンプル採取は成功せず

NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査車「パーサヴィアランス」は2021年8月6日、火星着陸後はじめてサンプル採取を試みました。サンプル採取は成功したかと思われましたが、サンプルを収納する容器(サンプルチューブ)にサンプルが入っていないことが分かりました。

上の画像は、最初のサンプル採取の際の掘削孔です。1枚目はパーサヴィアランスのナビゲーションカメラで撮影したもの、2枚目はロボットアーム先端のWATSONで撮影した掘削孔のクローズアップです。掘削孔の直径は2.7cm。

パーサヴィアランスには43本のサンプルチューブが搭載されています。火星の岩石や砂のサンプルを採取し、将来的に別のミッションで地球に持ち帰って分析することが計画されています。

自律的に行われたサンプル採取の作業自体は意図した通りに実施され、サンプル採取に成功したかに思われました。しかしその後、サンプルチューブが空だったことが分かったのです。検討の結果、岩が粉状あるいは小さな破片からなっていたため保持されなかったものと見られています。コアを採取できるほどには岩石が固くなかったのです。

パーサヴィアランスは同じ場所で再挑戦することはせず、「South Seitah」と呼ばれる次のサンプル採取地点に向かうことになりました。South Seitahは、火星ヘリコプター「インジェニュイティ」が上空を飛行して「偵察」を行った場所です。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech(ナビゲーションカメラ画像)、NASA/JPL-Caltech/MSSS(WATSON画像)

(参照)Mars 2020 Mission Perseverance RoverMars Exploration Program