火星のクレーターの壁に見られたドライアイス | アストロピクス

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火星のクレーターの壁に見られたドライアイス

この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターがとらえたもので,火星の南半球にあるクレーターの斜面が映っています。斜面にはところどころに二酸化炭素の霜(ドライアイス)がみえています。青っぽい部分がドライアイスです。

冬になると毎年、火星の表面にはドライアイスの層が形成されます。真冬になるとこの霜は火星の極から緯度50度ほどの中緯度まで広がり、暖かく日当たりがよくなるまで、そのような状態が続きます。

しかしより赤道に近い地域でも、極の方向へ向いた(北半球なら北向き、南半球なら南向きの)斜面では、受け取る太陽光が少ないため、ところどころにドライアイスがみられます。

画像は南半球の真冬に撮影されたもので,南緯37度付近にあるクレーターの南向きの斜面が映っています。霜は斜面にあるガリー(溝状の地形)とその周辺にみられます。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2022年1月4日に撮影されたもので、2022年3月17日のHiPODとして紹介されました。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE