ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた渦巻銀河NGC 2775。かに座の方向、6700万光年の距離にあります。
「グランドデザイン」と呼ばれる、渦状腕がくっきりとしている渦巻銀河とは対照的に、渦巻きが全体的に羽毛のような感じになっているのが印象的な銀河です。このような渦巻銀河は「flocculent spiral galaxy」と呼ばれます。「flocculent」とは、「綿状の」「羊毛の」などの意味の言葉です。
このような渦状腕は、NGC 2775での最近の星形成が比較的穏やかだったことを示しています。また「バルジ」と呼ばれる銀河の中央部分では、かなり以前に星の材料であるガスが全て星になったため、現在は星形成が起きていません。バルジが非常に大きいことも特徴的です。
羽毛のような渦状腕では暗い塵の帯が織り交ざるように分布し、またあちらこちらで何百万もの若く青い星々が明るく輝いているのが映っています。
画像は2020年6月29日にリリースされた、ハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」の画像です。
Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Lee and the PHANGS-HST Team、Acknowledgement: Judy Schmidt (Geckzilla)