ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた「光エコー(光のこだま)」 35 Years of Hubble Images(Year 17) | アストロピクス

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた「光エコー(光のこだま)」 35 Years of Hubble Images(Year 17)

この画像は、「光エコー(光のこだま)」と呼ばれる珍しい現象をハッブル宇宙望遠鏡がとらえたものです。約5年前に爆発した「いっかくじゅう座V838(V838 Mon)」という星からの光が、星を取り囲む塵の雲の中を外へと向かって広がりました。塵に反射した光は、星の爆発そのものの光よりも長い距離を移動する分、後から届きます。はねかえってやってくるようすが山で発生するこだまに似ていることから、光エコー(光のこだま)と呼ばれています。

V838 Monは、いっかくじゅう座の方向、約2万光年の距離にあります。2002年初頭、V838 Monは一時的に増光し、太陽の60万倍に明るさになりました。ハッブル宇宙望遠鏡は、時間とともに外側の塵の雲に反射した光を何年かにわたってとらえました。

こちらの動画では、ハッブル宇宙望遠鏡が2002年から2006年までに撮影した画像を順に表示しています。

(参考)「ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた『いっかくじゅう座V838』の光のこだま」(2002年から2006年に撮影された8枚の画像を紹介)

ハッブル宇宙望遠鏡は1990年4月24日に打ち上げられました。NASA(アメリカ航空宇宙局)はハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ35周年(2025年4月24日)に向けて、これまでハッブルが撮影してきた画像から、「35 Years of Hubble Images」と題して各年1枚ずつ選んで紹介しています。V838 Monをとらえたこの画像は2006年に撮影、公開されたもので、17年目の画像として紹介されています。

Image Credit: NASA, ESA, and H. Bond (STScI)

(参考)「35 Years of Hubble Images」記事一覧

(参照)NASA(1)(2)