日欧共同の水星探査計画「ベピコロンボ」が2022年6月23日(日本時間、以下同じ)、水星で2度目のフライバイを行います。フライバイは、惑星など天体の重力を利用して探査機の速度や軌道を変更するために行うものです。今回のフライバイでベピコロンボは水星の重力を利用して減速し軌道を微調整します。
ベピコロンボは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の水星磁気圏探査機「みお」(MMO:Mercury Magnetospheric Orbiter)とESA(ヨーロッパ宇宙機関)の水星表面探査機(MPO:Mercury Planetary Orbiter)、電気推進モジュールMTM(Mercury Transfer Module)が結合した形で水星へ向かっており、2025年12月に水星の周回軌道へ入る予定です。
水星に到着するまでに、ベピコロンボは合計9回のフライバイを行います。これまで地球で1回(2020年4月10日)、金星で2回(2020年10月15日、2021年8月10日)、水星で1回(2021年10月2日)の合計4回のフライバイを行ってきました。
今回のフライバイで探査機は、1回目のフライバイと同様、水星表面から約200kmの高度まで接近する予定です。最接近は23日18時44分(日本時間)と予想されています。
水星に到着するまではMTMと結合した状態のため、フライバイ時に探査機のメインのカメラで撮影することはできません。そこでMTMに設置されている3台のモニタリングカメラ(MCAM)での撮影が予定されています。
最接近は水星の夜側になるため、水星表面の画像は最接近の5分後、800kmの距離から撮影される予定です。
最初の画像は最接近から数時間以内に地球へ送信され、24日未明ごろまでには一般公開される予定になっています。その後も画像は送られてくることになっており、ESAによれば週明けには全ての画像がESAの惑星科学アーカイブにアップされるとのことです。
(参照)ESA