水星の金属核が巨大なのは、原始太陽の磁場が関係か!?

太陽系には8つの惑星があります。それらの惑星のうち、内側の水星、金星、地球、火星の4惑星は主に岩石からなる「岩石惑星」です。岩石惑星の中心には金属核があり、その周囲をマントルや地殻がおおう構造になっています。

岩石惑星の密度を比べると水星が大きく、火星は小さいことが知られており、密度の大きい惑星ほど金属核が占める質量比が大きいとされています。また火星と木星の間に分布する小惑星は、岩石惑星よりも密度が小さく少量の金属しか含まないことが知られています。

水星が大きな金属核を持っているのは、太陽系形成時に天体衝突によって表面付近の岩石層がはぎ取られたためだと考えられてきました。一方で、衝突によって簡単に失われてしまうはずの揮発性の高い元素を含む岩石が、水星表層に多く存在していることが分かっていました。

東北大学のWilliam F. McDonough氏(メリーランド大学兼務)と吉崎昂氏は、岩石天体を構成する物質中で金属の占める割合が、太陽からの距離によって減少することを発見しました。また岩石天体の密度の差が、原始太陽の磁場によって生じたとする説を提案しました。

研究チームの新たなモデルによると、若い太陽がガスと塵からなる円盤に囲まれていた太陽系の形成初期に、太陽の磁場によって鉄の粒が太陽に引き寄せられました。そのガスと塵の円盤の中で惑星が形成され始めると、太陽に近い惑星は遠くの惑星よりも多くの鉄を核に取り込んだとのことです。

この新たな説は、水星表層に揮発性元素量が高いこととも辻褄が合います。また岩石惑星だけでなく、小惑星の密度のバリエーションまでを包括的に説明できます。

地球では金属核が生み出す磁場が、有害な宇宙線から地表の生物を守る役割を果たしています。磁場を長期間保つには、金属核の大きさや化学組成が重要です。それらを決定した要因を知ることは、惑星が生命にとってハビタブル(居住可能)となる条件を制約することにもつながります。

Image Credit: NASA's Goddard Space Flight Center

(論文)Terrestrial planet compositions controlled by accretion disk magnetic field

(参照)東北大学メリーランド大学