ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた銀河団Abell S1063。ぼんやりと青く見えているのは銀河団内の「銀河間光」です。
銀河団の中では、銀河同士が互いの重力で影響を与え合う相互作用がはたらきます。その際、銀河に属していた一部の星は、銀河の重力から解き放たれて銀河団内を漂流します。どの銀河にも属さないそのような星々は、「銀河間光」と呼ばれる淡い光として観測されます。
この銀河間光が、銀河団内のダークマターの分布を調べるために利用されました。銀河の重力から逃れた星は、ダークマターの重力に引かれて寄っていきます。そこで銀河間光を観測してダークマターの分布を推定しようしているのです。
なお、画像の中で弧状にみえている光は、Abell S1063による重力レンズ現象で、より遠方にある銀河がゆがんでみえているものです。
Image Credit: NASA, ESA, and M. Montes (University of New South Wales)
https://hubblesite.org/contents/media/images/2018/56/4293-Image.html