ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の観測から推定されたダークマターの分布マップ | アストロピクス

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の観測から推定されたダークマターの分布マップ

この画像、一見すると多くの星々が輝いているように見えるかもしれません。ただ実際に映っているのは、ほとんどが銀河です。画像はジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえたもので、約80万個の銀河が映し出されています。その銀河の画像に、青で示されたダークマター(暗黒物質)の分布の地図が重ねられています。

映っているのは、ろくぶんぎ座の空の一画で、0.54平方度(満月の約2.5倍)の領域です。ウェッブ望遠鏡はNIRCam(近赤外線カメラ)を使い、この領域を合計約255時間にわたり観測しました。

スポンサーリンク

重力レンズを利用してダークマターの分布を推定

こちらは冒頭の画像の左上の部分のクローズアップです。クローズアップしてみると、画像に映るほとんどの天体が銀河だということがわかります。

ダークマターは光(電磁波)を出しません。また光を反射したり吸収したりすることもありません。そのため望遠鏡を使って直接観測することができません。

ただしダークマターは周囲に重力を及ぼします。ダークマターが大量に集まっていると、その質量によってまわりの空間をゆがめるほどになります。遠方の銀河からやってくる光は、ゆがんだ空間にそって進むため、地球からみると曲がってみえます。このように重力の影響で光が曲がる現象は「重力レンズ」と呼ばれます。重力レンズ効果を調べることで、ダークマターの分布を推定することができます。

画像の青い部分は、弱い重力レンズ効果を利用して推定されたダークマターも分布です。青が明るいほど、ダークマターの密度が高い領域であることを示しています。

NASA(アメリカ航空宇宙局)によると、画像の領域では2007年にハッブル宇宙望遠鏡のデータを用いてダークマターの地図が作られたことがあります。ウェッブ望遠鏡の画像には、ハッブル望遠鏡の地図の2倍の銀河が含まれているとのことです。

(参考)
「ダークマター」関連記事一覧
「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」関連記事一覧

Image Credit: NASA/STScI/J. DePasquale/A. Pagan

(参照)NASA