非常に暗い不規則銀河NGC 7292 ハッブル望遠鏡が撮影 | アストロピクス

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非常に暗い不規則銀河NGC 7292 ハッブル望遠鏡が撮影

この画像に映っているのは、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた銀河NGC 7292です。NGC 7292はペガスス座の方向、約4400万光年の距離にあります。この銀河は「不規則銀河」と呼ばれるタイプの銀河で、渦巻銀河のような渦状腕や、楕円銀河のような滑らかな楕円構造などがありません。ただNGC 7292には、棒渦巻銀河のような棒状の構造が見られるのが特徴的です。

ハッブル望遠鏡がとらえたこの画像では明るく見えますが、実際にはNGC 7292は非常に暗い銀河です。そのためNGC 7292は、背景の夜空とほとんど区別できない「低表面輝度銀河」として分類されています。このような銀河は通常、星ではなくガスやダークマター(暗黒物質)が支配的です。

ハッブル望遠鏡によるNGC 7292の観測は、II型超新星の名残を研究するために行われました。II型超新星は、太陽の8倍以上の質量の星で、最期に中心核が重力崩壊する際に起きる大爆発です。NGC 7292では1964年に超新星SN 1964Hが発生しました。

画像はハッブル宇宙望遠鏡のACS(掃天観測用高性能カメラ)で撮影されたもので、2023年6月12日にハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開されました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, C. Kilpatrick

(参照)ESA/Hubble