アンドロメダ銀河のハローは130万光年以上広がっていた! | アストロピクス

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アンドロメダ銀河のハローは130万光年以上広がっていた!

Credit: NASA, ESA, J. DePasquale and E. Wheatley (STScI) and Z. Levay

地球から約250万光年の距離にあるアンドロメダ銀河(M31)は、巨大な銀河としては天の川銀河に最も近い天体です。銀河円盤の大きさは直径20万光年ほど。アンドロメダ銀河や天の川銀河のまわりには、「ハロー」と呼ばれる高温で希薄なガスが球状に広がって存在しています。ハローには希薄なガスのほか、球状星団なども存在しています。

ハッブル宇宙望遠鏡の観測によって、アンドロメダ銀河のハローが130万光年の距離まで広がっていることが分かりました。方向によっては200万光年まで広がっているそうです。130万光年というと、天の川銀河とアンドロメダ銀河のほぼ中間地点に当たる距離です。これはアンドロメダ銀河のハローが、私たちの天の川銀河のハローに触れていることを意味しているとのこと。またアンドロメダ銀河のハローにはガスの殻のような構造が2つあることも明らかになりました。

冒頭の画像は、アンドロメダ銀河のハローが、地球から肉眼で見えたとしたらどのように見えるかを示したものです。見た目の大きさは、北斗七星の幅の約3倍にもなるそうです。アンドロメダ銀河のハローは、同じ研究チームによって2015年にも調査されていました。今回の観測により大きさと質量がより正確に決定されました。

Credit: NASA, ESA, and E. Wheatley (STScI)

今回、ハッブル宇宙望遠鏡を使って、アンドロメダ銀河のハローの向こう側にある43個のクエーサーが調べられました。この画像は、それらのクエーサーの位置を示したものです。クエーサーからの光がアンドロメダ銀河のハローを通過するときに、光の一部が吸収されます。研究チームは、光がハローにどのように吸収されるか、また領域によって吸収のされ方がどのように変化するのかを観測しました。今回の観測では、アンドロメダ銀河のハローの中に、超新星爆発によって星から放出された大量の重元素も発見されました。

(参照)Hubblesite