ハッブル望遠鏡がとらえた、わし星雲の中心部にある長大なガスと塵の塔 | アストロピクス

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ハッブル望遠鏡がとらえた、わし星雲の中心部にある長大なガスと塵の塔

この画像は、わし星雲(M16)の中心部をハッブル宇宙望遠鏡がとらえたもので、ガスと塵からなる塔のような長大な柱状の構造が映し出されています。高さは9.5光年にも及ぶもので、その高さは太陽に最も近い恒星までの距離の2倍以上に相当します。同じわし星雲にある、有名な「創造の柱」の近くにあります。

創造の柱も含め、このような柱状の構造は、大質量星からの紫外線や星風によってガスと塵の雲が侵食され、密度の高い部分が残ったものです。大質量星は画面の外、上の方に存在しています。

大質量星の光は、塔の表面の凹凸を照らす役割も果たしています。また熱せられたガスが、塔の表面から霞のように沸き立っているのも映っています。

ガスの塔の内部では、星が形成されている可能性があります。塔を照らす大質量星が誕生するよりも前に低温ガスの高密度な領域で重力崩壊によって形成された星もあれば、一方で、大質量星の光によって加熱されたガスが膨張して低温ガスを圧縮し形成された星もあるかもしれません。

画面上方の青い色合いは大質量星からの紫外線によって電離した酸素、下の方の赤い色合いは電離した水素によるものです。

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ15周年を記念して、2005年4月に渦巻銀河M51(子持ち銀河)の画像とともに公開されました。

Image Credit: NASA, ESA, and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA)

(参照)Hubblesite