ちょうこくしつ座の方向、地球から約5億光年の距離にある「車輪銀河」と呼ばれる銀河の画像です。チャンドラX線望遠鏡がとらえたX線画像(紫)と、ハッブル宇宙望遠鏡の可視光画像(赤、緑、青)を合成したものです。
車輪銀河は、かつて小さな銀河と衝突したことでこのような形になりました。激しい衝突によって生じた衝撃波が広がり、ガスや塵が掃き集められることで大量の星が形成されました。チャンドラがとらえたX線は、もともと車輪銀河あった高温ガスが、衝突によって15万光年以上も引きずられているのを示しています。
2020年9月2日、NASAやチャンドラX線望遠鏡のウェブサイトで、多波長で撮影した画像を合成した六つの天体の画像が紹介されました。多波長で観測することで、天体の真の姿が見えてきます。アストロピクスではそれぞれの画像を1枚ずつ紹介しています。今回の記事はその一つです。