木星の南半球には「大赤斑」という巨大な渦模様があります。画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の木星探査機ジュノーがとらえた大赤斑です。大赤斑は少なくとも1830年以降はずっと存在し続けており、350年以上にわたり存在している可能性もあります。地球が丸ごと入ってしまうほどの大きさがあります。
巨大な嵐が木星の大気をかき乱し、大赤斑の西側に乱流を生み出しています。大赤斑の西側の縁のところで、赤い雲の一部が引きはがされつつあります。これは2017年に地上望遠鏡で初めて観測されて以降、しばしば発生している現象です。
ジュノー探査機は、53日間で木星を1周する軌道をまわっています。木星に最も近づくときは雲頂から5000kmほど、遠ざかるときは800万kmほどになります。上の画像は、ジュノーが18回目の最接近を行なった2019年2月12日に得られたものです。
ジュノー探査機は木星に最接近するたびに、搭載しているジュノーカムというカメラで木星表面を撮影しています。そのデータは一般に公開され、誰でも処理することが可能です。
この画像は“市民科学者”のKevin M. Gill氏がジュノーカムのデータをもとに作成したものです。元の画像が撮影されたとき、ジュノー探査機は木星の雲頂から7万kmの距離のところに位置していました。
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Image data: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS
Image processing by Kevin M. Gill, © CC BY