急斜面など過酷な地形も探査可能な変形ローバー「DuAxel」 | アストロピクス

【Googleニュースでアストロピクスをフォローして新着記事をチェック!】

急斜面など過酷な地形も探査可能な変形ローバー「DuAxel」

これらの写真は、NASA(アメリカ航空宇宙局)のJPL(ジェット推進研究所)で技術実証が進められている、「DuAxel」と名付けられたローバー(探査車)です。1枚目は4輪で走行していますが、2枚目ではテザー(命綱)でつながった2輪が本体から離れているのが映っています。アメリカ、カリフォルニア州のモハベ砂漠での実地試験のようすを撮影したものです。

DuAxelは、急斜面など従来のローバーでは落下や転倒の危険があり走行できない場所を探査するために開発が進められています。目的地に近づくと車体を下げて地面に固定してから前部の2輪を分離します。前部の2輪と本体はテザーでつながれており、前部の2輪だけが急斜面を降りていくのです。

テザーは単なる命綱ではなく、電力供給や本体との通信にも使われます。車輪のハブには顕微鏡やドリルなどの観測機器を収納できます。前部の2輪は、一方の車輪をもう一方より速く回転させることで方向転換できます。

月や火星、水星、木星の衛星エウロパなど、さまざまな天体で危険な地形へのアクセスが可能になることが期待されます。

モハベ砂漠での実地試験の際の映像です。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/J.D. Gammell

(参照)NASA