ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた蝶のような惑星状星雲 打ち上げ35周年記念画像(2) | アストロピクス

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた蝶のような惑星状星雲 打ち上げ35周年記念画像(2)

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ35周年記念として公開された画像の1枚で、まるで蝶のような形をした惑星状星雲NGC 2899が映っています。NGC 2899は、ほ座の方向、4500光年の距離にあります。ハッブル宇宙望遠鏡は1990年4月24日に打ち上げられ、2025年に35周年を迎えました。

(参考)打ち上げ35周年記念画像(1) 火星

太陽程度の質量の星は年老いると膨らんで赤色巨星になります。やがて星の外層のガスが周囲の宇宙空間へ放出され広がっていきます。中心に残された星の「芯」からの紫外線によって、広がったガスが電離して輝く天体が惑星状星雲です。中心の星の「芯」はやがて白色矮星になります。

NGC 2899には、2万2000℃の白色矮星からの放射と恒星風によって生じた、両極方向へ広がるガスのアウトフローが存在しています。星雲には、放射と恒星風の発生源の方を向いている柱状の構造も見られます。

中心の星は伴星とともに連星系をなしており、2つの星が相互作用して星雲を形作っている可能性があります。星雲の色は、水素ガスと酸素ガスの輝きによるものです。

(参考)ESO超大型望遠鏡がとらえた美しき宇宙の蝶

(参考)「35 Years of Hubble Images」記事一覧

Image Credit: NASA, ESA, STScI; Image Processing: Joseph DePasquale (STScI)

(参照)NASA(1)(2)