土星の「スポーク」の季節の始まりをハッブル望遠鏡がとらえた | アストロピクス

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土星の「スポーク」の季節の始まりをハッブル望遠鏡がとらえた

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡が2022年9月22日に土星を撮影したものです。土星の左側、Bリングに「スポーク(spokes)」とよばれる模様が見えています。

土星は自転軸が傾いているため、地球と同じように季節変化があります。ただ土星は約29年で太陽のまわりを公転しているので、1つの季節が7年ほどの期間になります。スポークは春分や秋分の前後でみられ、夏至や冬至に近づくと現れません。

土星は2009年8月に北半球の春分(南半球の秋分)、2017年5月に北半球の夏至(南半球の冬至)を迎えました。土星は現在、2025年5月の北半球の秋分(南半球の春分)に向かいつつあります。秋分に近づくにつれて、スポークはますます現れるようになると見られています。

スポークは、1980年代にボイジャー探査機によって初めて観測されました。現れる原因は、はっきりとは分かっていませんが、土星の磁場が関係しているのではないかと考えられています。土星の磁場が太陽風と相互作用して塵サイズのリング粒子が帯電し、一時的に浮かび上がったものではないかと見られています。

こちらはハッブル望遠鏡により約4分間隔で撮影された7枚の画像をつないだものです。リングに見られるスポークが移動しているのが映っています。スポークの回転速度は、リングや土星の磁場の回転と完全には一致していません。

Credits
SCIENCE: NASA, ESA, Amy Simon (NASA-GSFC)
IMAGE PROCESSING: Alyssa Pagan (STScI)

(参照)Hubblesite