南米チリの夜空に描かれた星と月食の軌跡

この画像は南米チリにあるESO(ヨーロッパ南天天文台)パラナル天文台で撮影されたものです。2023年1月23日にESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開されました。

地上にはESOのVLT(超大型望遠鏡)のドームがあり、上空には3時間にわたって撮影された星々の軌跡が弧を描いて映っています。弧を描くのは地球が自転しているからです。

夜空で明るく輝いているのは月です。ただ、ひときわ明るく輝いているのは両端の月で、それらを結ぶ軌跡の部分はやや暗く、赤っぽくなっています。これは皆既月食中に撮影されたためです。月が地球の影に入ると、地球の大気を通った赤い光だけが月面に届くため赤みを帯びて見えます。参考記事:皆既月食で月が赤く見えるのはなぜ?

画像に映る月食は、2019年1月20〜21日に発生しました。その皆既月食の際には、ハッブル宇宙望遠鏡が月に向けられました。ハッブル望遠鏡は、地球大気を通過した太陽光が月に反射した光を観測し、オゾンを検出しました。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡など大型の宇宙望遠鏡によって、太陽系外惑星の大気を通過してやってくる恒星の光から惑星の生命の兆候を探る「予行演習」を行ったのです。参考記事:ハッブルが月を“鏡”にして地球大気から生命の痕跡を観測! 将来の系外惑星大気の観測へ向けて

Image Credit: ESO/J. C. Muñoz-Mateos

(参照)ESO