インディアン座の渦巻銀河NGC 7038 ハッブル望遠鏡が撮影

この画像はハッブル宇宙望遠鏡がとらえたもので、渦巻銀河NGC 7038が映っています。NGC 7038はインディアン座の方向、約2億2000万光年の距離にあります。

銀河の中心は淡い黄色の光で明るく輝き、周囲に渦状腕が巻きつくように伸びています。また渦状腕に沿うように、塵が暗く映っています。背景には、NGC 7038よりも遠方にある銀河が多数見えています。

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Ia型超新星とセファイド変光星が存在

NGC 7038では、これまでにIa型超新星が観測されたことがあり、またセファイド変光星(ケフェウス座δ型変光星)が存在することが分かっています。これらの天体はいずれも、宇宙での距離測定に重要な役割を果たすものです。

ハッブル宇宙望遠鏡の当初の科学的目標の1つは、宇宙の天体までの距離を正確に測定することでした。距離測定は、宇宙の膨張率をあらわす「ハッブル定数」を導き出すために利用されます。

近年、セファイド変光星の観測から得られたハッブル定数が、ビッグバンの名残の光である宇宙背景放射の観測から得られたハッブル定数と一致しないことが問題になっています。不一致がなぜ生じるのかについてはよく分かっていません。

画像は2022年11月7日にハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開されたものです。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Jones、Acknowledgement: G. Anand, L. Shatz

(参照)ESA/Hubble