星があまり生まれていない渦巻銀河NGC 2841

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた渦巻銀河NGC 2841。おおぐま座の方向、4600万光年の距離にあります。NGC 2841では渦状腕があまりはっきりとしていません。このような渦巻銀河は「flocculent spiral galaxy」と呼ばれます。「flocculent」は「綿状の」「羊毛の」などという意味のことばです。

黄色がかって見える中心部のまわりを、渦状腕が取り巻いています。最も明るく見えている領域が銀河中心で、その周囲では、白っぽい星々の光に照らされて塵がシルエットのように見えています。渦状腕には青い星々が点々と存在しています。

NGC 2841には新しい星の誕生を示すピンク色のガス雲がないのが特徴的です。高温の若い星からの放射や恒星風によってガスが吹き飛ばされてしまい、星の形成が止まってしまったためと見られます。NGC 2841では、他の渦巻銀河と比べると星形成率が低くなっています。

画像は2010年に、紫外線から可視光、近赤外線までの4種類のフィルタを使い、ハッブル宇宙望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたものです。

Image Credit: NASA, ESA, and the Hubble Heritage (STScI/AURA)-ESA/Hubble Collaboration;
Acknowledgment: M. Crockett and S. Kaviraj (Oxford University, UK), R. O'Connell (University of Virginia), B. Whitmore (STScI), and the WFC3 Scientific Oversight Committee

(参照)Hubblesite