2018年の最接近の頃にハッブル宇宙望遠鏡がとらえた火星 | アストロピクス

2018年の最接近の頃にハッブル宇宙望遠鏡がとらえた火星

2020年10月6日に火星が最接近します。上の画像は前回の最接近(2018年7月)のころにハッブル宇宙望遠鏡が撮影した火星の画像です。

火星は地球の一つ外側の軌道を公転しています。地球は約365日、火星は約687日で公転しており、地球は2年2か月ごとに火星に追いつきます。そのときに地球と火星の距離が近くなります。また地球の公転軌道は円に近いのに対して火星の公転軌道は楕円になっているため、最接近のときの地球と火星の距離は毎回異なります。

冒頭の画像に映る火星は、表面の模様があまりはっきりと見えていません。今回2020年10月の最接近よりも、前回2017年7月の最接近のときの方が地球と火星の間の距離は近かったのですが、砂嵐が全体を覆っているために表面があまり見えない状態になっていました。

火星の北極と南極を白い雲が覆っているのが映っています。火星右下に見られる楕円形の領域は「ヘラス平原」と呼ばれる巨大な衝突クレーターです。北半球では「アラビア大陸」が見えています。火星の右側に衛星フォボス、左下側に衛星ダイモス(デイモス)も映っています。

Image Credit: NASA, ESA, and STScI

(参照)Hubblesite