この画像で画面いっぱいに映っているのは、水星の「カロリス盆地」です。カロリス盆地は太陽系最大級の衝突盆地の一つで、直径が1550kmほどあります。水星の直径が約4880kmですから、カロリス盆地はその3分の1近くの大きさがあることになります。
画像は、アストロピクスでも以前紹介したモノクロ画像に、組成の違いなどにより色分けした画像を合成したものです。いずれもNASA(アメリカ航空宇宙局)の水星探査機メッセンジャーが観測しました。
オレンジ色の部分は溶岩で、カロリス盆地の内部が全体的に溶岩に覆われた火山性の平原であることがわかります。カロリス盆地を溶岩が覆ったあとで形成されたクレーターは、地下にある物質を掘り起こしました。大きなクレーターでは、溶岩の下にある反射率の低い物質(この画像では青)が露出しており、溶岩に覆われる前の状態を垣間見せてくれます。クレーターの分析から、溶岩の層の暑さは2.5〜3.5kmと推定されています。
Image Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington