この画像は、火星のWirtzクレーター内にある砂丘をNASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターがとらえたものです。暗い色で見えている部分が砂丘です。
地球上の砂は、石英という鉱物でできており、白く明るいものがほとんどです。一方、火星の砂は、火山岩である暗い玄武岩でできている物が多く、そのため火星の砂丘は地球で見られるものとくらべて黒っぽくなります(この画像は擬似カラー画像のため、画像の色は自然な色合いとは異なります)。
画像に映る砂丘は「バルハン砂丘」と呼ばれるタイプのものです。画像の砂丘では東側(右側)が急斜面、西側(左側)が緩やかな斜面になっています。バルハン砂丘では、風によって急斜面の側(この画像では右側)に砂丘が移動していきます。砂丘には塵旋風(つむじ風)の通過した跡が暗い筋として見えています。
マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載されたHiRISEというカメラのウェブページでは、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。冒頭の画像は2011年3月6日に撮影されたもので、2022年1月2日のHiPODとして紹介された画像です。
Image Credit: NASA/JPL/UArizona
(参照)HiRISE