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火星にある「オルクス・パテラ(Orcus Patera)」と呼ばれる地形を、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の火星探査機マーズ・エクスプレスがとらえた画像です。
オルクス・パテラは、エリシウム山とオリンポス山の間に位置する幅140km、長さ380kmほどの楕円形の窪地です。
縁の部分は周囲の平原より1800m高くなっており、内部は周囲より400〜600m低くなっています。
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この画像はオルクス・パテラを斜めから見たものです。
「パテラ」とは複雑あるいは不規則な形をした深い火山性のクレーターのことを指します。ただオルクス・パテラは火山の近くにあって「パテラ」と呼ばれていますが、その成因はよく分かっていません。
火山活動以外の成因としては、丸い衝突クレーターが圧縮によって変形した、あるいはいくつかの衝突クレーターが侵食によってつながったなどの可能性もあります。しかし最も可能性が高いのは、小天体が非常に浅い角度で衝突したためにできたとするものです。
Image Credit: ESA/DLR/FU Berlin (G. Neukum), CC BY-SA 3.0 IGO
http://www.esa.int/Science_Exploration/Space_Science/Mars_Express/Mars_s_mysterious_elongated_crater